僕は、1998年に真空管専門店「ヴィンテージサウンド」をはじめて、気が付けば22年もの歳月が経過し、今年で50歳になります。
この22年の間に数えきれないほどのお客様と真空管にまつわるお話をさせていただきました。
お客様といえば、アマチュアバンドからプロのミュージシャン、オーディオ愛好家、真空管アンプを買ったばかりの初心者まで幅広い方々ですが、共通しているのは、「いい音を出したい。いい音で聞きたい。」という切なるご要望です。
これらのご要望に応えて真空管をセレクトするのが僕の仕事で、22年も続けることができ、今でも続いています。
商売として考えるならば、それはそれでありがたいことで、これからも続いていければいいな、とは思っておりますが・・・・・・。
50歳を前にして、「このまま真空管屋を普通に続けていっていいんだろうか。」という疑問が頭をもたげてきました。
僕が22年前に真空管屋を始めたころは、秋葉原をはじめ全国に真空管屋がたくさんあり真空管に詳しい大先輩がたくさんおり、その先輩に追いつけとばかりに、真空管業に邁進してきましたが、ふと立ち止まっててみると、真空管屋というよりも、真空管を語れる人が少なくなってきているな、というざっくりとした寂しさを感じておりましたところ、
「だったら、自分が真空管のことを語ればいいじゃないか」
と思い立ったのが、この真空管ブログを始めるきっかけです。
あと何年、真空管屋を現役で続けられるかはわかりませんが、僕が知っていることをすべて出し切るつもりで、ゆるく、まじめに、コツコツ、時には熱く、真空管を語ってゆきたいと思います。