アップグレード法 マイクアンプ編マイクアンプの内部を覗いてみましょう。マイクアンプとしては、マイク内蔵型や、別設された専用のマイクプリアンプ等があり、本コンテンツでは、真空管式のアンプを指します。このマイクアンプは、再生系のオーディオ真空管アンプとは異なり、録音系のアンプであり、真空管のセレクトにも別のセンスが要求されます。 本コンテンツでは、マイクアンプのアップグレードについて説明いたしますが、まず、最初にすべきことは、マイクアンプの内部を覗くことから始まります。 恐れずに、マイクアンプの蓋を開けてみましょう。 うまく開けられましたか? 親指サイズで頭が尖った円筒形状の真空管が見えますか? そうです。その真空管こそ、マイクアンプの心臓部であり、録音クオリティの実権を握る真空管です。マイクアンプの場合には、プリ管と呼ばれる小さな電圧増幅管しか使っていませんので、シンプルな真空管構成です。しかしながら、シンプルだからこそ、ごまかしが一切利きません。真空管の特性がダイレクトに録音結果に多大な影響を与えます。 真空管を発見したら、抜いてみましょう。 親指と人差し指で真空管を挟持しつつ、垂直方向にじわじわと引き抜いてください。くれぐれも、力まかせに抜かないでください。力余って、真空管をぶつけて破損させてしまいますので。 真空管の管壁に何かプリントされていますか? 大抵は、「China」、「北京」等のはずです。 これらがプリントされている真空管は、真空管のクオリティとしては、残念ながら最低ランクのもので、録音クオリティもそれ相応となります。 「それじゃあ もっと高価なマイクプリアンプに買い換えよう。」と思っているとしたら、ちょっと待ってください。 そのマイクプリアンプを、ヴィンテージのTELEFUNKENやNEUMANNのような録音クオリティにする方法があります。真空管を別のものに交換するだけです。 「嘘だ」と思われるかもしれませんが、本当の話です。 但し、やみくもに交換してもダメです。マイクプリ用に真空管選択のセオリーがあります。
マイクアンプメーカーの本音とは各マイクアンプメーカーからは、何十種類ものアンプが発売されておりますが、適切な真空管交換でサウンドのアップグレードが図られることを高らかに告知しているところは残念ながらありません。 正確に申しますと、告知したくないというのがメーカーの本音です。 なぜでしょうか? ずばり、マイクアンプが売れなくなるからです。真空管をブラックボックス化して、アンプ本体側に注目させたいのです。次々と、マイクアンプを買い換えて欲しいというのが本音です。 真空管交換で様々なサウンドを一台のマイクアンプで作られると、マイクアンプの買い換え需要が激減してしまい、メーカーの売り上げに悪影響を及ぼすことは容易に想像できます。 また、マイクアンプに最初から実装されている真空管は、さぞかし厳選された高級品と思っている方が非常に多いと思いますが、これも、幻想に過ぎません。 数十万円するマイクアンプであっても、デフォルトで実装されているのは、最安価な中国球や、せいぜい、ロシア球の中でも廉価球です。無印やメーカーロゴがプリントされている真空管のほとんどは、中国球だと思ってまず間違いありません。 弊社のように真空管を専門とする者からすると、マイクアンプ価格を抑えるために安価な真空管しか使えないというメーカーの本音をかいま見ることができます。 デフォルトの真空管は、自動車の標準タイヤ・ホイールのようなもので、過剰な期待は禁物です。 しかしながら、裏を返すと、アップグレードの余地が多く残されているということが言えます。 つづく 2009.12.8 Good music ! © 2009 VINTAGE SOUND
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