真空管のエージングとは何ですか?

Category: 真空管の音質やパフォーマンスの向上に関する質問

エージングとは、新品(または長期間未使用)の真空管に対して、所定の電圧を印加することにより、真空管の動作を安定化させるための電気的操作をいいます。新車に例えると、エンジンの慣らし運転に相当します。ここで、単に電圧を印加しただけではエージングにはなりません。真空管の規格毎に最適パラメータを設定管理することによりはじめてエージングが完了します。ヴィンテージサウンドでは、独自ノウハウと48時間も要してエージングを実施しております。このエージングシステムは、特許出願中です。

エージングの目的は5つあり、第1の目的は、初期不良因子を有する真空管を出荷前に排除することです。初期不良因子を有する真空管は、実機で使用してからまもなく不良となるため、エージングをしないで出荷するとお客様のアンプで不良となってしまいます。そこで、エージングにより初期不良因子を有する真空管に対して、意図的に不良を発生させているのです。

第2の目的は、真空管の電気的動作の安定化を図ることです。新品の真空管は、電気的特性(ex.プレート電流、相互コンダクタンス)が時間的に変動します。そこで、エージングを実施することにより、時間の経過とともに、変動幅が小さくなり、やがて安定化します。

第3の目的は、真空管の長寿命化を図ることです。エージングをせずに新品の真空管をいきなり実機で使用することは、新車をいきなり高速道路でレッドゾーン走行させることと同じで、真空管を痛めます。そこで、ヴィンテージサウンドでは、低い電圧から徐々に高くしてゆき、真空管にゆっくりとエージングを施してゆきます。エージング済みの真空管を実機で使用しても、すでに安定化しておりますので、長期間に亘って、パフォーマンスを発揮してくれます。長期スパンで見た場合、エージング済みの真空管のほうが、未エージングと比して長寿命となりますので、結局お買い得な真空管ということができます。

 第4の目的は、真空管の測定精度を高めることです。エージング前の真空管は、上記のように電気的特性が時間的に変動するため、真空管の測定値も変動します。従って、エージング前の真空管をいくら測定しても、正確な値を得ることはできません。これに対して、エージング済みの真空管は電気的特性が安定しているため、真空管の測定精度を飛躍的に高めることができるのです。ヴィンテージサウンドの全真空管はエージング済みですので、おのずと真空管の測定精度およびマッチング精度を高く維持でき、高品質の真空管をご提供できるのです。

第5の目的は、サウンドを向上させることです。未エージングの真空管を使用すると、尖った感じで耳障りなサウンドがスピーカーから流れてきます。これに対して、エージング済みの真空管の場合、角がなく尖った感じが消え、なんとも言えない、心地よい真空管特有のまろやかなサウンドとなります。ヴィンテージサウンドで独自ノウハウと48時間ものエージングを施された真空管は、異次元のサウンドをお届けするでしょう。  このことから、サウンドに対して鋭い耳を持つプロフェッショナルユーザー(ミュージシャン、録音スタジオ事業者、アンプメンテナンス事業者)からのご注文が多いのも特徴です。ヴィンテージサウンドの真空管は、外形が他と一緒でも、中身は別物です。 Q.マッチドペアやマッチドクワッドの意味を教えてください? A.真空管を測定することにより、プレート電流、相互コンダクタンス、エミッション等の電気的特性が得られますが、同じ規格の真空管でも管毎にかなりのバラツキが生じます。

例えば、パワー管について100本分の各プレート電流を測定した場合、25mAから50mAまでのかなり広い範囲でプレート電流値が分布します。このように、最小値25mAの真空管と最大値50mAの真空管との間には、2倍もの開きがあります。アンプが安定して動作するには、プレート電流値誤差が10%以内と言われておりますので、当然、25mAと50mAの真空管は、ペアとして使うことはできません。

そして、測定が終了すると100本分のプレート電流値が得られますので、プレート電流値が近いものを選別してゆきます。ヴィンテージサウンドでは、プレート電流値誤差が±2.5%以内と非常に厳しい条件で選別しております。選別の結果、2本揃ったものをマッチドペア、4本揃ったものをマッチドクワッド、6本揃ったものをマッチドセクテット、8本揃ったものをマッチドオクテットとして販売しております。

ここで、ペアよりもクワッド、クワッドよりもセクテット、セクテットよりもオクテットのほうが、100本から得られる数が少ないため稀少であると言うことができます。

プリ管の場合には、1本に左右プレートを有する双極管ですので、各プレート毎に測定値が得られます。すなわち、1本のプリ管で2つの測定値が得られます。大多数のプリ管は、プレート間で測定値のバラツキがあり、アンバランスとなります。

その一方で、ごく僅かな割合でプレート間の測定値が許容誤差範囲内という双極マッチングがとられたプリ管が存在します。これが双極マッチと呼ばれ、特別に厳選されたものでその希少性は言うまでもありません。

プリ管の場合、1本に左右プレートがあるため、マッチドペア2本で4つ(左右2測定値×2本)の測定値、マッチドトリオ3本で6つ(左右2測定値×3本)、マッチドクワッド4本で8つ(左右2測定値×4本)の測定値、マッチドセクテット6本で12(左右2測定値×6本)の測定値についてマッチングを取らなければならず、上述したパワー管(測定値は1つ)よりも2倍条件が厳しくなります。このように厳しい選別をクリアしたマッチドのプリ管は、音楽バランスに優れ、最高のパフォーマンスをお約束します。

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