蛍光X線分析装置は、質屋で貴金属の買取や質預かりをする際に、本物か偽物かを調べる装置です。
原理は、レントゲンで使うX線を試料に照射すると発生する蛍光X線を解析することで試料を構成する元素と割合がわかるというものです。
実際の真贋鑑定におきましては、ルーペを使って刻印を確認しますが、ルーペだけでは見破れないときに蛍光X線分析装置が活躍します。
今回分析するもの
今回は、蛍光X線分析装置で実際に分析するものとして、こちらのものを用意しました。

左から、金インゴット1kg、銀色のリング1、銀色のリング2、そして、真空管12AX7 RCAです。本物と偽物が混在しています。銀色のリングは見た目では区別がつきません。

一番目は、金インゴット1000gを分析
トップバッターは、金色に輝く1000gのインゴットで、分析台に載せて蓋をします。


オレンジの点灯中は、X線を照射して分析しているサインです。
待つこと、15秒。

分析結果が出ました。

結果は、ニッケルと銅の合金地金に金メッキをかけた、偽物の金インゴット1000gでした。
仮に、質屋で買取事故を起こしたら、1450万円の大損害となります。
二番目は、銀色のリング1を分析
銀色のリングは、見た目では判断が難しく、通常は刻印を確認して、グレーゾーンのものを蛍光X線分析装置で分析します。画像の丸い穴からX線が、下から上に向かって照射されます。

結果は、銀93.74%でシルバー925でした。

三番目は、銀色のリング2の分析

結果は、プラチナ90.99%でPt900でした。

四番目は、真空管12AX7 RCA ヴィンテージ管の分析
金属部分として、足(ピン)を分析してみます。

結果は、ニッケル89.91%、鉛10.09%でした。

次回は、現行品とヴィンテージ管との比較をしてみたいと思います。
投稿者プロフィール

- 代表取締役 真空管を業として27年
-
東京都青梅市在住
株式会社クリエイティブファクトリー 創業者&代表取締役
【保有資格】
第1級陸上無線技術士
電気主任技術者
電気通信主任技術者
「真空管と質屋をこよなく愛する青梅人」で、質屋初代で質蔵を2つも建てたことがあり、電気系に強く自分で特許出願ができるという特技を持つ。
1991年 株式会社リクルート入社
1994年 都内大手特許事務所にて特許出願を担当
1998年 「ヴィンテージサウンド」にて真空管の輸入販売で創業
2000年 法人成りにより合資会社ささきに組織変更 資本金110万円
2012年 資本金1000万円に増資
2013年 株式会社クリエイティブファクトリーに組織変更
2014年 総合買取 にじや実店舗オープン
2022年 青梅街道 野上交差点そばに「にじや質店」をオープン
【好きな仕事】
真空管の輸入販売、音響コンサルティング、ブランド品・貴金属・時計等の真贋鑑定、質屋、古物商
【運営サイト】
質屋の「にじや質店」 https://nijiya-7ten.jp
真空管専門店の「ヴィンテージサウンド」 https://vintagesound.jp.jp
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