【第二弾】現行品12AX7 vs ヴィンテージ管12AX7 蛍光X線分析対決 テレフンケン

真空管12AX7の足(ピン)を分析するシリーズの第二弾は、ヴィンテージ管12AX7のキング、Telefunken(ドイツ)と、その流れを継承していると称される現行品JJ(スロバキア)の4種類をご用意しました。

【現行品】ECC83/12AX7 JJ ノーマル ※販売中
【現行品】ECC803/12AX7上位互換球 ※販売中
【ヴィンテージ管】ECC83/12AX7 Telefunken テレフンケン ◇マーク ※販売中
【ヴィンテージ管】ECC803/12AX7上位互換球 Telefunken テレフンケン ◇マーク ※販売中

とりわけ、ECC803S Telefunkenは、世界一美しい音質と言われている幻の逸品です。

12AX7本体を並べて、ピンの色の違いを見てください。

左から、
①【現行品】ECC83/12AX7 JJ ノーマル ピン色がシルバー。
②【現行品】ECC803/12AX7上位互換球 ピン色が艶消しシルバー。
③【ヴィンテージ管】ECC83/12AX7 Telefunken テレフンケン ◇マーク ピン色が焼けたような七色。
④【ヴィンテージ管】ECC803/12AX7上位互換球 Telefunken テレフンケン ◇マーク ピン色がゴールド。

それでは、蛍光X線分析装置で各ピンの成分を分析してみましょう。

一番目は、【現行品】ECC83/12AX7 JJ ノーマルの分析

ノーマルは、内部のプレートの長さが短いものを指します。 ※販売中

結果は、ニッケル98.05%で、僅かにマンガン1.516%が含まれておりました。

二番目は、【現行品】ECC803/12AX7上位互換球の分析

ECC803は、一番目のECC83に比べて内部のプレートの長さが2倍近くあり、熱的および電気的な安定性に優れた上位互換球です。 ※販売中

結果は、ニッケル86.58%、鉛13.05%の他に、ビスマス0.193%、銅0.174%が微量に含まれていました。同じメーカーJJでも、ピンの素材が違うのが興味深いです。

三番目は、【ヴィンテージ管】ECC83/12AX7 Telefunken テレフンケン ◇マークの分析

三番目は、名機マランツ7に当時採用されていたテレフンケン ECC83の登場です。テレフンケンは、底に◇マークがあればオリジナル品、無ければOEM品で価格も音質も落ちます。 

極僅かですが、入荷販売している場合もあります。

結果は、ニッケル71.74%、鉛15.39%、鉄12.12%、銅0.443%、亜鉛0.198%、銀0.107%でした。鉛が多いですね。同じヴィンテージ管でも第一弾の東芝 12AX7の分析結果とも異なっています。

四番目は、【ヴィンテージ管】ECC803/12AX7上位互換球 Telefunken テレフンケン ◇マークの分析

四番目は、世界一と称される高音質のECC803 Telefunkenです。めったに入荷してきません。おそらく、12AX7系の中では最も高価で希少品だと思います。在庫状況はこちら

結果は、ニッケル66.93%、金21.01%、鉛12.06%でしっかりと金が分析されました。
なお、金メッキですので、表面に膜のように金があるだけでやすりで削ると地金(ニッケルと鉛の合金)が出てきます。

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投稿者プロフィール

佐々木 英明
佐々木 英明代表取締役 真空管を業として27年
東京都青梅市在住

株式会社クリエイティブファクトリー 創業者&代表取締役

【保有資格】
第1級陸上無線技術士
電気主任技術者
電気通信主任技術者

「真空管と質屋をこよなく愛する青梅人」で、質屋初代で質蔵を2つも建てたことがあり、電気系に強く自分で特許出願ができるという特技を持つ。

1991年 株式会社リクルート入社
1994年 都内大手特許事務所にて特許出願を担当
1998年 「ヴィンテージサウンド」にて真空管の輸入販売で創業
2000年 法人成りにより合資会社ささきに組織変更 資本金110万円
2012年 資本金1000万円に増資
2013年 株式会社クリエイティブファクトリーに組織変更
2014年 総合買取 にじや実店舗オープン
2022年 青梅街道 野上交差点そばに「にじや質店」をオープン

【好きな仕事】
真空管の輸入販売、音響コンサルティング、ブランド品・貴金属・時計等の真贋鑑定、質屋、古物商

【運営サイト】
質屋の「にじや質店」 https://nijiya-7ten.jp

真空管専門店の「ヴィンテージサウンド」 https://vintagesound.jp.jp