真空管業界がコロナ禍で激変したという話

今から振り返ると、コロナ前は、ロシアから高品質で安価な真空管を大量に仕入れできましたので、販売価格もリーズナブルで、若い方からベテランまで、幅広いお客様にご購入いただいておりました。

のんびりと楽しく商売できた良き時代でした。

ところが、コロナ禍で状況は一変しました。

ギタリストの皆様がライブやコンサートの自粛風潮に伴って、真空管アンプを使う機会が激減し、その結果、真空管の消耗、つまり交換する必要がなくなり、同じ値段でも真空管が売れなくなりました。

さらに追い打ちをかけるように、ロシアによるウクライナ侵攻で、原材料やエネルギーのコストが暴騰し、結果として、真空管の輸入価格も2倍なんてあたりまえという状況が続き、加えて、円安となり、真空管の販売価格は、コロナ前の2~3倍という事態になりました。

最近は真空管の輸入量が安定してきましたが、ウクライナ侵攻から2年くらいは、真空管の入荷が厳しい状況になり、真空管が欲しいお客様がいらっしゃるのに、在庫が無いこともありました。

そして、2024年10月現在は、真空管の輸入価格は多少下がったものの、また円安傾向に振れているため、販売価格は高止まりですので、若いお客様がほとんどおりません。比較的、余裕があるお客様に購入していただいているという状況です。

真空管の良さを広めるという意味では、若い層の参入が多ければ多いほど希望が持てるのですが、今はまだその状況には無いようです。

このように、コロナ禍は、真空管業界にも深い爪痕を残し、継続中ということが言えます。

これからも、ヴィンテージサウンドがやることは変わりはないのですが、真空管を通じて豊かな音楽体験をご提供できるよう努力してまいります。


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投稿者プロフィール

佐々木 英明
佐々木 英明代表取締役 真空管を業として27年
東京都青梅市在住

株式会社クリエイティブファクトリー 創業者&代表取締役

【保有資格】
第1級陸上無線技術士
電気主任技術者
電気通信主任技術者

「真空管と質屋をこよなく愛する青梅人」で、質屋初代で質蔵を2つも建てたことがあり、電気系に強く自分で特許出願ができるという特技を持つ。

1991年 株式会社リクルート入社
1994年 都内大手特許事務所にて特許出願を担当
1998年 「ヴィンテージサウンド」にて真空管の輸入販売で創業
2000年 法人成りにより合資会社ささきに組織変更 資本金110万円
2012年 資本金1000万円に増資
2013年 株式会社クリエイティブファクトリーに組織変更
2014年 総合買取 にじや実店舗オープン
2022年 青梅街道 野上交差点そばに「にじや質店」をオープン

【好きな仕事】
真空管の輸入販売、音響コンサルティング、ブランド品・貴金属・時計等の真贋鑑定、質屋、古物商

【運営サイト】
質屋の「にじや質店」 https://nijiya-7ten.jp

真空管専門店の「ヴィンテージサウンド」 https://vintagesound.jp.jp