【第三弾】現行品12AX7 vs ヴィンテージ管12AX7 蛍光X線分析対決 Mullard ムラード

真空管12AX7の足(ピン)を分析するシリーズの第三弾は、ヴィンテージ管12AX7の紳士、Mullard ムラードの現行品(ロシア)とオリジナルのヴィンテージ管(英国)の2種類をご用意しました。

【現行品】ECC83/12AX7 Mullard(ロシア) ※販売中 左側
【ヴィンテージ管】ECC83/12AX7 Mullard(英国) 右側

12AX7本体を並べて、ピンの色の違いを見てください。

右から、
①【現行品】ECC83/12AX7 Mullard(ロシア) ピン色がシルバー。
②【ヴィンテージ管】ECC83/12AX7 Mullard(英国)ピン色がくすんだシルバー。

それでは、蛍光X線分析装置で各ピンの成分を分析してみましょう。

一番目は、【現行品】ECC83/12AX7 Mullard(ロシア)の分析

現行品の中でも高音質であることで評価が高いMullardの現行品(復刻版) ※販売中

結果は、ニッケル98.95%で、僅かにジルコニウム0.551%、チタン0.431%、クロム0.060%が含まれておりました。

二番目は、【ヴィンテージ管】ECC83/12AX7 Mullard(英国)の分析

一方、ヴィンテージ管 12AX7 Mullardは、現行品に比べて、細身で、シルクスクリーンのプリントも味があります。

結果は、ニッケル88.68%、鉛10.56%の他に、銅0.595%、銀0.089%が微量に含まれていました。現行品と比べて、ニッケル以外の組成が異なることがわかります。この辺が音質に影響を与えていると考えられます。

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投稿者プロフィール

佐々木 英明
佐々木 英明代表取締役 真空管を業として27年
東京都青梅市在住

株式会社クリエイティブファクトリー 創業者&代表取締役

【保有資格】
第1級陸上無線技術士
電気主任技術者
電気通信主任技術者

「真空管と質屋をこよなく愛する青梅人」で、質屋初代で質蔵を2つも建てたことがあり、電気系に強く自分で特許出願ができるという特技を持つ。

1991年 株式会社リクルート入社
1994年 都内大手特許事務所にて特許出願を担当
1998年 「ヴィンテージサウンド」にて真空管の輸入販売で創業
2000年 法人成りにより合資会社ささきに組織変更 資本金110万円
2012年 資本金1000万円に増資
2013年 株式会社クリエイティブファクトリーに組織変更
2014年 総合買取 にじや実店舗オープン
2022年 青梅街道 野上交差点そばに「にじや質店」をオープン

【好きな仕事】
真空管の輸入販売、音響コンサルティング、ブランド品・貴金属・時計等の真贋鑑定、質屋、古物商

【運営サイト】
質屋の「にじや質店」 https://nijiya-7ten.jp

真空管専門店の「ヴィンテージサウンド」 https://vintagesound.jp.jp