真空管アンプのオーナーになると、いずれ遭遇するのが真空管交換です。この真空管交換は単に真空管を替えればよい場合と、そうではない場合があります。
そうでない場合、真空管交換について調べ始めると、2本マッチとか4本マッチという用語に戸惑うと思います。
このマッチは、真空管アンプを安全に使用する上で大切な概念なのでぜひ覚えてください。
ここで、海外から輸入したばかりの真空管をご紹介しましょう。
キレイな新品の6L6G TUNG-SOLが20本ずらりと。見た感じは全部一緒で区別が全くつきません。
10本だけ箱から出して、並べてみました。
もちろん、どの真空管も同じ外観で全く区別つきませんね。真空管初心者の方からみるとどの真空管も同じだから、どれを使っても同じと思ってしまいます。
ここが落とし穴で、真空管は電気を通すと、まったく別の側面を見ることができます。
それは、真空管の電気的特性(ここでは詳細は説明しませんが、プレート電流、相互コンダクタンス、ゲイン等です。)は、外観とは裏腹に1本1本異なり、個性があるのです。
真空管アンプを安全にかつ快適に使うには、電気的特性が揃った真空管を使うことが基本となります。
電気的特性は、真空管試験機で1本1本の真空管について測定され、測定結果が揃ったものをグループ分けしたものがマッチなのです。
例えば、上記の10本の真空管のうち、特性が揃った4本をつぎの画像のようにセレクトすれば、4本マッチ(クワッドとも呼ばれます)となります。
4本マッチ(クワッド)の真空管
以下、同様に2本、6本、8本とグループ分けするとつぎのようになります。
2本マッチ(ペアともいいます)真空管
6本マッチの真空管
8本マッチの真空管