真空管アンプの音抜けが悪くなったり、ノイズが増えたかなと思ったら、みなさんどうしていますか?
まずは、ソケットと真空管との接触不良を疑い、全真空管を数回抜き差ししてください。
接触不良の場合には、これで一発解決します。
それでも、改善しない場合には、真空管のピンがサビたり汚れたりしていないかチェックしましょう。
真空管のピンは、金属製のため、経年劣化により、表面が酸化したり、汚れが付着すると、接触抵抗が増加し、これが原因で、音抜けが悪くなったり、ノイズが発生する場合があります。
ここで、新品の真空管と製造から62年経過のヴィンテージ真空管を見比べてみましょう。
右は、復刻版のMullard 12AX7で新品です。ピンが銀色でピッカピカです。 一方、左は、1958年製(62年前)のヴィンテージ管でRCA 12AX7 ブラックプレートで、ピンが酸化しやや黒ずんでいるのがわかります。音は、RCAのほうがダントツに良いのですが、ピンの酸化膜が気になりますね。 両真空管のピンを拡大してみましょう。
右側のMullard 12AX7のピン ぴかぴか
RCA 12AX7のピン。いい感じで焼けて62年の歳月を感じます。
このようなときに大活躍するのが、アルコールと綿棒です。
綿棒の先にアルコールを染み込ませます。
真っ白な綿棒でピンを磨きます。
そうすると、表面の酸化膜や汚れが綿棒に付きます。
こんなにも汚れていました。
これで、しばらく快調に鳴るはずです。
今回のように比較的、汚れが少ないときにはアルコールが効きますが、青錆が浮いているようなひどい状態のときには、金ブラシで粗削りしてから耐水ペーパーで磨くと良いでしょう。
僕が絶対に使わないのは、いわゆる接点復活剤です。これを使うと、最初はいいのですが、時間の経過とともに酸化しベタベタになってしまい、ソケット側も痛めてしまいますので、くれぐれもご注意を。
投稿者プロフィール
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東京都青梅市在住
株式会社クリエイティブファクトリー 創業者&代表取締役
【保有資格】
第1級陸上無線技術士
電気主任技術者
電気通信主任技術者
「真空管と質屋をこよなく愛する青梅人」で、質屋初代で質蔵を2つも建てたことがあり、電気系に強く自分で特許出願ができるという特技を持つ。
1991年 株式会社リクルート入社
1994年 都内大手特許事務所にて特許出願を担当
1998年 「ヴィンテージサウンド」にて真空管の輸入販売で創業
2000年 法人成りにより合資会社ささきに組織変更 資本金110万円
2012年 資本金1000万円に増資
2013年 株式会社クリエイティブファクトリーに組織変更
2014年 総合買取 にじや実店舗オープン
2022年 青梅街道 野上交差点そばに「にじや質店」をオープン
【好きな仕事】
真空管の輸入販売、音響コンサルティング、ブランド品・貴金属・時計等の真贋鑑定、質屋、古物商
【運営サイト】
質屋の「にじや質店」 https://nijiya-7ten.jp
真空管専門店の「ヴィンテージサウンド」 https://vintagesound.jp.jp
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